Diagnostic Interview

このページでご紹介する発達障害の診断面接検査は、後に医療機関で精神科医の診察を受けることを予定している方にのみ提供しているサービスになります。

  • 診断面接検査がどのように役に立つか
  • コナーズ成人ADHD診断面接(CAADID)
  • 自閉症診断面接(ADI-R)

診断面接検査がどのように役立つか

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慎重で丁寧な診断を行うことに役立ちます。その結果、誤診や見逃しの可能性を減らすことに繋がります。

発達障害のひとつである注意欠如・多動性障害(ADHD)と自閉スペクトラム障害(ASD)は、成育歴と現在の症状に関する幅広い情報を総合して診断するものです。しかしながら、医療現場では発達障害の診断に必要な十分な情報を得るための時間が確保できず、部分的な情報から診断の有無を判断せざるを得ない状況が生じているところが少なくありません。すると、どうしても「ADHDASD症状が多彩にあるのに、医師が把握できず診断に至らなかった」「部分的な情報はADHDASDに合致するけれど、ほかの可能性が十分に除外されていない」ということが起きやすくなります。

発達障害の症状は抑鬱症状や不安症状のように消失することが期待されていない診断名です。この診断を受けることで、良くも悪くも、当事者は自分自身に対する見方が根本的に変わったり、その後の人生設計に大きな影響を受けることがあります。患者さんにとっては人生を左右するかもしれない診断名ですから、可能な限り丁寧な診断プロセスを経ることが望ましいと思います。

コナーズ成人ADHD診断面接(CAADID)

概要

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コナーズ成人ADHD診断面接(Conners’ Adult ADHD Diagnostic Interview for DSM-Ⅳ)は、成人に見られる注意欠如・多動性障害(ADHD)に関連する症状や行動を幅広く測定する面接です。子どもの頃に診断は受けていないものの、不注意や衝動性によって日常生活に支障を感じられる成人の方がおられます。その方がADHDの診断に該当する特徴をどの程度お持ちなのかを調べるための面接検査です。診断には精神科医師の診察が必要です。

対象年齢

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18歳以上の方

所要時間

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2時間~3時間

CAADIDは何を測っているのか

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この面接検査はパートⅠとパートⅡに分かれています。

パートⅠでは、妊娠中から現在までのその方の生活の歴史を幅広く把握することを目的に質問をします。

  1. 背景情報
  2. 成育歴
  3. ADHDの危険因子
  4. 併存障害のスクリーニング

という4つの項目に関して情報を集めます。

 

パートでは、その方がADHDの診断基準に該当するかどうかを判断することを目的に質問をします。パートはさらに3つの部分で構成されています。

CAADIDの結果はどのように報告されるか

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精神科医師の診察を受ける前提で報告書を作成いたします。CAADIDをお受けになったあとで、報告書を持参して精神科を受診なさってください。報告書には以下の内容をまとめます。

  • 成育歴上の特筆すべき情報
  1. 家族構成、妊娠・出産時のリスクの有無、発達の遅れの有無、大きなライフイベント
  2. 小学校での学習の様子、中学・高校での学習の様子
  3. 精神医学的病歴、家族の病歴
  4. 職歴・社会的な人間関係。
  • DSM-Ⅳ診断基準に関連する症状の有無とその程度
  1. 不注意症状がどの程度該当するか、どのように生じているか
  2. 多動性・衝動性症状がどの程度該当するか、どのように生じているか
  3. それぞれの症状が現れた年齢
  4. それぞれの症状が学校・職場・家庭・その他の活動など広範囲に及ぶかどうか
  5. それぞれの症状がADHD以外の理由から説明できるかどうか

自閉症診断面接(ADI-R)

概要

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自閉症診断面接(ADI-R)は、対象者が自閉スペクトラム障害に該当するかどうかを診断するために必要な情報を収集する面接検査です。この面接は自閉スペクトラム障害の疑いがある対象者本人ではなく、その養育者が質問に答えます。主に対象者が4歳~5歳の頃の様子を思い出してもらいながら

  1. 言葉の使用と意思伝達にどのような特徴がみられたか
  2. 対人関係を相互的に行うことができたかどうか
  3. 何度も繰り返される行動や、狭い範囲に限定した興味関心があったかどうか

に焦点を当てます。確定診断には精神科医の診察が必要です。

対象年齢

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対象者が2歳0か月以上

(面接は養育者に参加してもらいます)

所要時間

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1時間半~2時間半

ADI-Rは何を測っているのか

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この面接検査では診断基準に関連のある以下の7つのセクションに関して質問をします。

  1. 初期発達の様子
  2. 言語・その他のスキルの獲得と喪失
  3. 言語と意思伝達の特徴
  4. 社会的発達と遊びの様相
  5. 好きな活動・おもちゃ
  6. 興味と行動
  7. 診断基準には含まれない行動全般

質問の例

「○○さんは何か欲しいものがあることを、どのようにあなたに知らせましたか?」(言語と意思伝達の特徴に関する質問)

「○○さんは食べ物やおもちゃ、お気に入りのものをあなたと分け合うつもりで差し出すことがありますか?」(社会的発達と遊びの様相に関する質問)

 

 

それぞれの質問に対する回答は、検査者によって評定されます。最終的にカットオフ値と呼ばれる基準(診断の可能性があるライン)よりも高いか低いかがわかります。

ADI-Rの結果はどのように報告されるか

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精神科医師の診察を受ける前提で報告書を作成いたします。ADI-Rをお受けになったあとで、報告書を持参して精神科を受診なさってください。報告書には以下の内容をまとめます。

  • 成育歴上の特筆すべき情報
  1. 家族構成、妊娠・出産時のリスクの有無、発達の遅れの有無、大きなライフイベント
  2. 小学校・中学・高校での学習の様子と対人関係の様子
  3. 精神医学的病歴、家族の病歴
  4. 職歴・社会的な人間関係
  • DSM-Ⅳ診断基準に関連する症状の有無とその程度

以下の3つの領域で自閉的な特徴の強さを数値化し、基準となる点数を上回るかどうか判定

  1. 相互的対人関係における自閉的特徴の強さ
  2. 意思伝達における自閉的特徴の強さ
  3. 自閉的な「こだわり」の強さ